「ポートフォリオ」という言葉は、53件の募集のどこにも出てきませんでした。
2026年9月27日、クラウドワークスで「記事作成」を検索して、募集中の1ページ目に出てきた53件を、募集本文まで開いて読みました。実績がない人はポートフォリオをどう作ればいいのか。その答えを、発注者が実際に何を求めているかから逆算したかったからです。
結果は、よく言われている話と少し違いました。
53件の募集で、見本はどう求められていたか
53件のうち49件は、求めるレベルが「初心者」になっていました。実績がない人が応募する前提の募集が、ほとんどということです。
いちばん多かったのは、テストライティング(トライアル)がある募集で、29件でした。過去の実績を書いて応募してほしい、という募集は24件。ただ、そのうち19件は同じ発注者が同じ文面で出していたもので、発注者の数で見ると一握りです。
しかもその文面は、「過去のライティング実績(提出可能なもので結構です)」という書き方でした。立派な実績である必要はなく、見せられるものがあれば見せてほしい、くらいの温度なんですよね。
見本の役目は、テストに呼ばれるための名刺
ここから分かるのは、初心者向けの記事作成では、見本で採用が決まっているわけではない、ということです。決め手になっているのは、実際に1本書かせてみるテストの方でした。

では見本は要らないのか。そうではありません。応募が何百件と集まる募集では、発注者は全員にテストを頼めません。テストを頼む相手を選ぶときに、文章を1本でも見せられる人が先に残ります。
見本の仕事は、そこまでです。採用を決めるのはテストの出来なので、見本に何週間もかける必要はありません。1本あれば、最初の応募には間に合います。
実績ゼロから、見本を1本作る
作り方はシンプルです。自分の得意なことで、架空の依頼を自分に出します。
元営業なら「初心者向けの営業のコツ」、子育て中なら「時短家事のアイデア」。実際にやってきたことがある分野を選んでください。体験に基づいた一文は、それだけで実績の代わりになります。
書く前に、そのテーマで検索して上位の記事を3本読みます。読者が何に悩んでいるか、どんな順番で話が進むかをつかんでから、自分の言葉で書きます。AIは構成の壁打ちや誤字のチェックに使って大丈夫です。ただし全文をAIに書かせた見本はやめておいた方がいいです。発注者が見たいのは、あなたが書く文章なので。
見本記事1本に入れておきたいもの
- 自分が実際にやってきたことが、1か所でも入っている
- 見出しで区切られていて、流し読みでも中身が分かる
- 2,000文字前後で、最後まで書き切ってある
- 誤字がない(ここだけは妥協しない)
4つめは、テストライティングでも最初に見られるところです。
置き場所は、URLで渡せればどこでもいい
見本の置き場所で迷う人は多いのですが、発注者に届けばどこでも構いません。noteでも、Googleドキュメントの共有リンクでも十分です。
自分のブログに置くと、「WordPressを触ったことがある」という情報も一緒に伝わります。WordPressへの入稿まで頼みたい発注者には、これが効いたりします。このブログ自体も、僕にとっては見本の置き場所です。ブログをやる意味はWebライターはブログを書くべき?に書きました。
見本より先に、落とされるところ
せっかく見本を作っても、その前で落ちることがあります。
いちばん多いのは誤字です。文章を仕事にする人の見本に誤字があると、そこで読むのをやめられます。次が、ジャンルがばらばらの見本を何本も並べること。得意な分野でそろった1〜2本の方が、「この人に何を頼めばいいか」が伝わります。そして、見本を何も付けずに「頑張ります」だけで応募すること。これは、テストに呼ぶ理由を発注者に1つも渡していない状態です。
見本は採用を決める書類ではなく、
テストに呼ばれるための名刺。
今週末の2時間で、1本目の見本を書いてみてください。完璧でなくていいので、最後まで書き切ることだけを目標にしてください。
この記事で数えたもの・確認したページ
クラウドワークス「記事作成」の検索結果1ページ目(募集中のみ)の53件の募集本文(2026年9月27日)
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