PR

「WebライターはAIに奪われる」は半分本当で半分ウソ。奪う側から見た実態

記事内に広告が含まれています。

「WebライターはAIに奪われる」。この言葉、SNSでもニュースでも本当によく見かけます。実際にNHKの特集で「AIに仕事を奪われて収入が3分の1になったライター」が取り上げられるくらいですから、不安になるのは当然です。

ただ、僕はこの議論にひとつ、大きな欠けがあると思っています。語っているのがほぼ全員「奪われる側」だということです。

実はこのブログは、記事作成の大部分をAIにやらせて運営しています。つまり僕は、世間で言う「ライターから仕事を奪っている側」の当事者です。この記事では、奪う側から見た実態を正直に書きます。結論だけ先に言うと、「奪われる」は半分本当で、半分ウソです。

半分本当:実際に消えている仕事はある

AIに置き換えられつつある仕事を示した図
消えたのは仕事そのものではなく、工程の一部でした

まず、キレイゴトを言うつもりはありません。AIに置き換えられた仕事は現実に存在します。

検索上位の記事をまとめ直すだけの記事、文字単価0.5円以下の大量発注、マニュアルどおりに書く商品紹介文。たとえば、こういう仕事です。

僕自身、このブログの「情報を整理して説明する」パートはほぼAIに任せています。かつてこの種の作業はまさに初心者ライターの入り口案件でした。その入り口が狭くなっているのは事実です。発注者の立場で考えれば分かりますが、数分で終わる作業に1記事数千円を払う理由がもうないんです。

半分ウソ:AIに任せてみると「人間が要る場所」がハッキリ見える

ところが、です。実際にAIでブログを運営してみると、「ここはAIだけでは無理だ」という場所が毎日のように出てきます。

AIは「本当かどうか」を保証できない

AIの文章はもっともらしいですが、時々、平気で事実を間違えます。日付、料金、サービス内容。公開前に人間が確かめないと、間違った情報を読者に届けてしまいます。ファクトチェックは今も完全に人間の仕事です。

AIは「体験」が書けない

「実際に使ってみたら、思ったより重かった」という一行は、使った人間にしか書けません。検索エンジンも読者も、こうした一次情報をますます重視するようになっています。AIが書けない部分の価値が、相対的に上がっているわけです。

AIは「責任」が取れない

記事の内容に間違いがあったとき、謝って直すのは人間です。企業がライターに発注し続ける理由のひとつは、品質に責任を持つ人が必要だからです。AIはどれだけ賢くなっても、この役割を引き受けられません。

NHKの特集が伝えていないこと

発注側の募集文面を数えた結果を示した図
募集の文面を読むのが、いちばん確かな答え合わせでした

「収入が3分の1になった」という事例は本当に起きていることです。ただ、募集の文面を見ると、話はそれだけではありませんでした。市場全体で見ると、仕事が消えたというより、仕事の中身と、お金が支払われるポイントが移動したというのが正確です。

移動先は主に3つあります。

  • 編集・仕上げ:AIの下書きを公開レベルに直す仕事
  • ディレクション:何をどう書くか設計してAIと人に振り分ける仕事
  • 一次情報の取材・体験:AIには作れない素材を用意する仕事

募集の文面を数えたら、答えが書いてあった

奪われるかどうかは、発注している側の文面を見れば見当がつきます。2026年9月22日にクラウドワークスで数えました。

「ライター」で検索すると28,755件。そこに「AI」を足して「AI ライター」で検索すると11,279件出てきます。

クラウドワークスで「ライター」の仕事を検索すると「ライター」で検索28,755件2026年9月22日「AI ライター」で検索11,279件同じ日
およそ4割の募集に、「AI」という言葉も入っていたことになります。

中身が面白いんです。並んでいたのは、AIを禁止する募集ではありませんでした。

「生成AI使用OK、ただし日本語として不自然にならないようチェックして頂きたい」。「AI使用可能!ブログ記事をお願いします」。「ChatGPTを活用した記事作成」。こういう文面が並んでいます。

仕事を出す側は、すでにAIを前提にしています。

そして条件のところに、だいたい同じ注文がついています。不自然な日本語になっていないか確認してほしい、事実の確認はそちらでやってほしい、と。

これが答えだと思っています。奪われたのは「文章を出力する作業」で、残ったのは「出力を人間が使える形にする作業」です。募集の文面が、そのまま境界線を示してくれているわけですね。

奪われたのは、文章を出力する作業。
残ったのは、出力を使える形にする作業。

だから今のうちに慣れておくべきなのは、AIを避ける方法ではありません。AIの出力の、どこが危ないかを見抜く目の方です。

AIの下書きで、人が確かめる3つ

  • 日付、料金、サービスの内容が、公式の情報と合っているか
  • 日本語として不自然な言い回しが残っていないか
  • 実際に使った人にしか書けない一行が入っているか

1つめと2つめは、9月22日に読んだ募集の条件にも、そのまま書かれていた項目です。

奪われる人と奪われない人の分かれ目

奪う側の実感として、分かれ目は経験年数でも文章のうまさでもありません。AIより上の工程に立てるかどうかです。

AIと同じ工程(言われたものを書く)にいる人は、比較されて負けます。AIの上の工程(何を書くか決める、出てきたものを判断する)に立つ人は、AIが優秀になるほど自分の生産性が上がります。要するにAIは、立ち位置しだいで、敵にも頼れる部下にもなります。

奪われる前に、使う側に回ろう

単純な執筆の仕事がAIに置き換えられているのは本当です。ただ、募集の文面には、AIの出力を人が確かめる仕事がはっきり書かれていました。分かれ目は、道具を避けるか使うか。それだけなんですよね。今のうちに触っておいた人から、先に向こう側へ行けたりします。

これからWebライターを目指すなら、「AIと戦わない場所」からスタートしてください。具体的な始め方や、そもそも自分に向いているかどうかは、他の記事でも詳しく解説していきます。

この記事で数えたもの・確認したページ

NHKニュース「「AIに仕事を奪われた」あるウェブライターの現実 収入が3分の1に」(2026年8月)
クラウドワークスの仕事検索「ライター」「AI ライター」の件数と募集の文面(2026年9月22日)

文章力の土台を体系的に固めたい人へ

AIを使いこなす前提になる「ライティング思考力」を学べる講座です。資料請求は無料なので、独学に不安がある人は一度のぞいてみてください。

未経験から3ヶ月でプロライターの思考力を習得(あなたのライターキャリア講座)

コメント

タイトルとURLをコピーしました